IT: 2012年アーカイブ
2011年11月から2012年1月にかけてモバイル環境の大幅組み換えを行なった。今週になりやっと「完成」と思える環境になったのでメモを残しておく。
■従来環境
- メイン:工人舎SH06KL08A+EMOBILE D01NX
取材ノート入力
- サブ:Apple iPad 16GB(3G+WIFI)
資料参照、テーブル上での情報共有
従来は、工人舎SH06KL08A+EMOBILE D01NXをメインにしていた。ところが、10月にSH06KL08Aのバッテリー保持ピンが折れてしまったのだ。同じSHシリーズを2代使い継ぎ、2台とも同じ場所が壊れたので、弱点なのか?という気がしないでもなかったのだが、そもそもバッテリーの取り外しなんてそう高い頻度で行われることは想定されていないんだろうな。バッテリー交換にネジが必要な機種が多いくらいだもんな、ノートPCなんて。
バッテリー保持ピンが折れただけで他には支障はない。ただし、使用中にバッテリーがずれたりすれば、有無言わさぬシャットダウンが待っている。少なくとも、仕事で外出先で使える状況ではない。自宅でのみ使うのならバッテリーをガムテープか何かで固定してしまえばいいのだけど、持ち歩き、かつバッテリー交換が前提の俺の使い方ではそういう訳にもいかない。
そこで、モバイル環境再構築の必要性が生じたのだった。
■要件
- 最低限の要件としては、少なくとも5時間程度の駆動時間を持っていること。これはカタログスペックではなく、実稼働時間として。しかも、その駆動時間の大半を通信しっぱなしでも耐えられることが望ましい。打ち合わせや取材の現場でWebなどの資料を確認しながら話をすることは少なくないからだ。
- 快適に日本語を入力できる環境も欠かせない。IMEの変換効率はある程度まで許容できるが、ソフトウェアキーボードは許せない。
■検討候補
- ノートPC
そもそもSHシリーズを2台続けて使ったのは、バッテリーを流用できるからだ。最初に使っていたSH6WB04Aで使っていたロングライフバッテリーを流用できたので、SH6KL08Aでは低コストで長時間駆動の環境を整えることができた。しかし、SHシリーズはその後途絶えており、同じバッテリーを流用できる新機種もない。
他メーカーの製品でも、実稼働5時間程度のバッテリー駆動時間を実現する製品は、別に珍しくない。しかし、コストは全然違う。予算は10万円程度を下限にスタートしてしまう。そんな高価な機種は今は無理。
画面解像度もポイント。 SHシリーズの1024x600に限界を感じていたので、 より高解像度な機種を求めた。最低でも、幅は1280ピクセル。しかし廉価機種は依然1024x600が中心。1280x800などの高解像度端末はとても重いか、とても高いか。
- iPad
iPadでもBluetoothキーボードを使えばかなりかなり快適な日本語入力環境を手に入れられる。特に、ジャストシステムから提供されているATOKpadなどを使えば、4千文字程度の原稿もPCと遜色なく執筆、編集が可能だ。ただし、根本的な仕組みの問題として、マウスに対応できないというのが大きな課題。
ノートPCからタブレットに移行する際の最大の懸念点は、取引先から来るOfficeファイルをどう扱い、編集して返信するかということ。もちろん、タブレット端末上で編集するなんて夢のようなことにトライする気には全然ならない。編集どころか、表示でさえまだまだ互換性の壁があるレベルだからだ。となると、最低限の保険として自宅PCへのリモートデスクトップ環境を整備しておきたい。10inchの画面サイズと1024x768の解像度を持つiPadには、文章だけではなくPowerPointやExcel、なんならIllustratorでさえ扱える表示能力がある。しかし、それらのアプリをマウスなしでタッチ操作だけで扱うのは…さすがに勘弁してもらいたい。
- Androidタブレット
Androidタブレットも、iPadと同様にBluetoothキーボードにより快適な入力環境を整えることが可能だ。しかも、キャリア系の端末であれば3G通信機能を契約することで端末代金をほぼゼロ円にすることもできる。どうせノートPCが不要になれば、EMOBILEの通信カードも不要になる。これを解約してAndroidのタブレットを契約すれば費用はそれほど変わらず、端末を乗り換えることができる。
課題は、RDPアプリで良さそうなのが見つかっていなかったこと、日本語入力環境がメーカーや機種ごとに違いすぎる上、BluetoothキーボードをつけてノートPCライクに使用している人が思いのほか少なく、情報がなかなか見つからなかったこと。
■ノートPC廃止、Galaxy Tab 10.1 LTEへ
ノートPCはコスト面で不利。3G契約はいずれにしろ必要なので、タブレットからのリモートデスクトップで十分だろうと考えた。
タブレット端末の中から最終的に購入したのは、Galaxy Tab 10.1 LTE。iPadでは脱獄しない限りマウスを使えず、仮に脱獄でマウスを使えるようにしたとしても、標準対応している訳ではないので使えるアプリが限られる可能性があった、というのが最も大きな理由。Galaxy Tab 10.1 LTEが持つ1280x800の解像度も魅力的だった。
新しい通信規格であるLTEを体感できるというのも、理由のひとつだった。いわゆる4G通信網だ。通信規格においてアーリーアダプタが得をすることはあまりないのだけど、やはり職業柄、早く体感しておきたいという気持ちはある。まだまだエリアが限られているが、FOMA網を使えるので困ることはない。
最後の最後に購入の後押しをしたのは、サンワサプライのGalaxy Tab 10.1 LTE用キーボードの存在だ。Galaxy Tab 10.1 LTEにぴったりのサイズで作られており、パタリと閉じてノートPCのように持ち運ぶことができる。初めからGalaxy Tab 10.1 LTEに特化して作られているので、ホームボタンやキャンセルボタン、コピー、カット、ペーストなどの基本ボタンが用意されているというのもいい。キータッチはいまいちだったが、サイズが大きいので慣れでなんとかいけそうだと、踏み切った。
■新環境
- メイン:Samsung Galaxy Tab 10.1 LTE取材ノート入力
- サブ:Apple iPad 16GB(3G+WIFI)
資料参照、テーブル上での情報共有
■新環境の課題
導入してみてから初めてわかった課題がいくつかあった。
- AndroidのIMEは機種ごとに大きく異なり、キーボード搭載端末以外の機種ではキーボードへの対応がイマイチ!
iPadでは、外付けキーボードをつければ当たり前のようにソフトウェアキーボードは消える。不要だし、ごく当たり前だと思っていた。…が! どうやらAndroidでは当たり前ではないのだった。IMEはソフトウェアキーボードを前提として作られており、外付けキーボード利用時でもソフトウェアキーボードは表示されっぱなしというIMEが当たり前なのだった。幸いにしてGalaxy Tab 10.1 LTEの標準IMEであるSamsung日本語入力は外付けキーボードを使うときにはソフトウェアキーボードを消してくれるタイプだったのでよかったものの(いや実際にはあまりよくないことがさらに後で発覚するのだが)、消えないタイプのIMEが標準だったらがっかりするところだった。
- Samsung日本語入力はフリーズしまくる!
外付けキーボードを使うときにソフトウェアキーボードを消してくれるなど気がきくSamsung日本語入力なのだが、安定性というアプリとして最低限のラインを越えられていない。いや、普通にソフトウェアキーボードで使っている分には問題ないのだが、外付けキーボードを使うとやたらとフリーズする。同じキーを延々入力し続ける状態になったり、IME自体がフリーズして端末再起動まで日本語を入力できなくなったりする。しかも、外付けキーボードを接続すると有無を言わさずSamsung日本語入力にIMEを切り替えられてしまうので、より安定度の高い他のIMEを選択することはできないのだ。
- RDPアプリが多すぎて自分に合うものを探せない!
Androidマーケットは、AppleのAppStoreに比べてやたらとアプリケーションが多い。RDPアプリだけでもものすごい数のアプリが出てくる。その中から自分に合うものを探し出すのは至難の業だ。しかも、俺の要件は一般的なタブレットユーザの要件とは違う。
ほとんどのRDPアプリは、いかにタッチ操作で快適にWindowsを操作できるか、というポイントに腐心している。逆に、Bluetooth接続のキーボードやマウスにきちんと対応しているアプリはごく少数派なのだった。ノートPCからのリプレースでGalaxy Tab 10.1 LTEを導入した俺としては、その、ごく少数のアプリを探し出さなくてはならない。面倒くさいことになった。
■「Remote RDP」でRDP環境解決!
RDPアプリは無料のアプリをいくつか試し、その中からマシそうなものを使っていた。そもそもメインをAndroidのアプリにしてしまえば、RDP自体が緊急時の道具にすぎないため、それほど困ることはない。Samsung日本語入力が落ちまくるのも、Bluetoothキーボードを有効にした後で別のIMEに切り替えるということで乗り切れていた。
それでも定期的に「Android リモートデスクトップ Bluetoothキーボード」などと検索して情報を探していた。そしてついに見つけたのが、Remote RDPだ。
- Bluetoothキーボードを使える!
もちろん、Bluetoothキーボードに対応している。しかも、Shift、Ctrl、Alt、Tabなどの特殊キーもすべてWindows PCと同じ感覚で使用可能だ。Windowsキー、ESCキーは私が使っているキーボードにないので、対応しているかどうかわからない。わかったところで、このキーボードを変える気が今のところはないので、意味はないのだけど。
- Windows側のIMEを使える!
Remote RDPでは、キーボードの入力をそのままRDP先のWindowsに渡してくれているようだ。つまり、端末側のIMEを使わないので、ソフトウェアキーボードで画面を埋められることも、Samsung日本語入力の不安定さに悩まされることもない。自分が使い慣れた漢字変換をいつでもどこでも利用できる。
- 画面解像度も細かく指定できる!
画面解像度は数字で自由に指定できるので、Androidのタスクバーが表示された状態に最適化した中途半端な解像度でアクセスできる。今は1280x750で利用中。
実際、今もこのブログエントリを、Galaxy Tab 10.1 LTE+Remote RDPで書いている。マウスをつなげるのが面倒くさいのでマウス操作はタッチパネルで行なっているが、それ以外はまるっきりWindowsのノートPCを使っているのと感覚的には変わらない。画面解像度が高い分、以前使っていたSHシリーズよりWidowsを快適に使えるくらいだ。