未明の苦闘 |
小生は今朝起抜けより頗る体調が悪かつた。否、体調が頗る悪い所為で目醒めたという表現をこそ正解とすべきだらう。実際、睡眠薬を飲みぐつすり眠つて居た小生を目醒めしめたのは強烈な胃痛に他成らなかつたのだから。
其れは就寝から四時間程を数えた午前二時の事だつた。腹部に疼く痛みで目を醒ました小生は直ぐに胃腸炎であらうと判断した。胃腸炎、殊に急性胃腸炎を発症した場合、胃が活発に活動する明方に激痛を起し易い事を小生は此れ迄の経験で身を以て知つている。此れ迄にも幾度と経験して居るが何れも午前五時前後に腹痛の絶頂を迎えて小生を夢から引摺り出して来た。然るに今回目醒めたのはのは未だ深夜と呼ぶ方が相応しい午前二時である。就寝が早かつた所為で胃痛の発生時刻も早いのかと其の時は考えたのだが結果的に其れは間違いであつた。
二時に目覚めて直ぐに小生はブスコパン成る鎮痛剤を服用した。通常は一錠を服用して暫くすれば胃痛を収めて呉れる小生の心強い味方である。本日もその効果を期待したが今回は敵の方が数段上手だつたやうだ。やゝ痛みが弱まつたかと思つて居ると今度は当初の比では無い強烈な痛みに小生は襲われた。堪らずブスコパンを更に一錠追加するとまた暫く痛みは弱まった。しかし又も服用前に比すべからざる痛みが襲来したのだ。
結局小生は半時間か一時間程の間隔でブスコパンを服用し続け痛みと闘い続けた。振返つて見ればやはり痛みが最高潮に達したのは午前五時頃であつた。既に数錠のブスコパンを服用して居るにも関わらずその痛みは凄まじく小生は苦鳴を禁じ得なかつた。
蒲団の上で七転八倒した数時間が過ぎ午前六時を廻つて漸く大人しく横たはる事ができ小生は浅い眠りに堕ちた。
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